家の話

ハウスメーカーを比較するときの5つのチェックポイント

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■ ハウスメーカー選びのポイントとは?

 

家を建てるときには、最終的に建てる会社(住宅会社)を1社だけ選ぶ必要があります。どんなに良い会社でも2社は選ぶことはできません。後で失敗したとなっても取り返しはつかないのです。そのため、慎重に選ぶ必要があります。

 

『三重県のハウスメーカーを選ぶなら知って欲しいこと』でも書きましたが、実際の選択肢としては、大きく分けると、全国に支店展開をしているハウスメーカーと三重県、愛知県などの企業としてのビルダー、工務店の大きく分けると2つになります。

 

これは、あくまで注文住宅と建てる場合での住宅会社の選択で、中古住宅や建売住宅などの選択肢は含んでいません。それは、注文住宅以外の中古住宅や建売住宅は、自分で仕様が決められないからです。そのため、今回は注文住宅の住宅会社に絞って話をさせてもらいます。

 

それでは、注文住宅を建てるに当たって、全国展開のハウスメーカーを地元密着のビルダー、工務店と比較しながら考えてみたいと思います。

 

住宅の購入を考えるとき、本当に沢山の選択肢から選ぶ必要があります。地元密着の工務店、ビルダーだけでも三重県には100社以上の住宅会社が存在しています。もちろん、全国展開のハウスメーカーも10社以上あります。

 

ハウスメーカーとは、住宅の施工販売をする会社であり、設計と施工を兼ねて、全国に支店網が張り巡らされているところが特徴です。

 

とても多くの会社が存在するからこそ、チェックしなければいけないポイントがいつもあります。

 

■ハウスメーカーとはそもそも何なのか

 

ハウスメーカーという存在を考える場合、いったいどんな仕事をするのかということを知らなければいけません。また、地元密着のビルダー、工務店と何が違うのか?を知る必要がるのです。

 

これが比較するためのポイントにもつながってきます。5つのポイントを上げてありますが、あくまでも大まかな項目としての5つです。そこから細かく比較していくためにも、ハウスメーカーという存在を知り、ビルダー、工務店の特徴を知ることが重要です。

 

そもそも、住宅というものは注文住宅が本来の形です。ご施主様(建て主様)がその生活に必要なことを設計に盛り込み、それぞれの土地に個別に施工方法も考えて建てていくのが注文住宅です。つまり、フルオーダーメイドなわけです。

 

昭和40年代ぐらいまでは、それを地元の大工さんが中心になって住宅建築を行っていました。実は、私の父親もその頃から家を建てていた人間です。その時代の住宅は今でもたまに見かけることができますが、断熱もなく、構造計算などもされておらず、大工さんの経験のみで建築していました。今とは建築に関わる法律なども全く違っていました。

 

それを、一変させたのがハウスメーカーです。ハウスメーカーは、住宅に工業化という概念を持ち込みました。大工さんが行っていたように修行を経た、経験で家を建てるのではなく、建物の高さや、構造などをあらかじめすべて統一して、その都度、詳細設計するのではなく、設計基準を決めて、施工方法まで統一し、品質を維持しながらコストを管理できるように生産効率を高めました。

 

その結果、住宅の工法や材料などの基本仕様が統一しており、社内で受注、設計、申請などのプロセスをすべて行う事で、住宅という商品の品質安定を図ってきました。ハウスメーカーは、規格化を進めてきたともいえます。そのため、ハウスメーカーでは、全国的に仕様が統一されているという点があります。その点で、東北と関東、中京などの地域によって仕様の差があまりなく、きめ細かい仕様の対応が出来ないことがあるようです。

 

その点、地元密着のビルダー、工務店の場合は、社内の規格はあるものの、設計変更には柔軟に対応する企業が多いのが特徴です。また、施工範囲が狭いために気候風土に合った基本設計にする事が出来るのも特徴です。当然ですが、企業が小さい分、意志決定が早く、細かい設計変更には柔軟に対応してもらえる可能性が多いのがビルダー、工務店です。

 

ハウスメーカーは大手企業である分、少し標準から変更依頼をすると社内で連絡を取り合い、変更点を明確にしないといけないため、時間がかかる場合や高額なオプション料金を取られる場合もあります。また、ハウスメーカーによっては設計部が、三重の各支店に配属されていない場合もあるので、その場合は名古屋から設計担当者が出張してくる場合もあるようです。

 

少々仕様変更が難しくても、品質の安定が良い場合はハウスメーカー、我が家に対して要望が多く、仕様や価格に対して柔軟に対応して欲しい場合は、地元ビルダーや工務店を選ぶと良いでしょう。もちろん、地元ビルダーの中にもしっかりとした、品質管理を行っている会社も存在します。

 

■坪単価と総額価格

 

ハウスメーカーを比較する場合は、住宅展示場に行く方が多いでしょう。住宅展示場では、少なくとも5~6社、多いと30社ちかい住宅会社を一度に比較できるので便利です。

 

当然ですが、そこではモデルハウスを見学する事になります。ハウスメーカーやビルダー、工務店が、実際にどんな家を建てているのか?をモデルハウスから見ることになるのです。

 

ここでは、実際に細心の注意が必要です。というのは、ハウスメーカーや地元のビルダー、工務店のモデルハウスというのは、あくまでぱっと見の印象を重視したオプション料金の塊の住宅を展示している場合が多いからです。

 

オプションというのは、当然ですがすべて有料で追加される部品だったり、仕様だったりするので実際にその住宅会社が建てている家と大きく異なる場合が多くなります。

 

特にハウスメーカーの場合はその差が大きくなりますので、細心の注意が必要になるわけです。

 

家づくりで成功を手にしたいあなたは、ここは素敵な夢のある目の前のモデルハウスのキッチンや照明、オシャレな家具などに惑わされることなく、これからお伝えする事をしっかりヒアリングして、いただいた資料にメモをとっておいてください。

 

まず始めに聞いて欲しいのは、このモデルハウスのどの部分がオプションで、どの部分が標準なのか?という点です。これで各社の考え方違いなどをしっかり理解できる事と思います。

 

次に、聞いて欲しいのは、このモデルハウスの坪単価と標準仕様の坪単価を聞いてください。これにはさっと答えてくれるハウスメーカーもあると思います。さらに、標準仕様がどの程度か知りたいので、ほぼ標準仕様で建てた家を一度見せて貰えませんかと聞いてみるのも良いと思います。

 

坪単価には答えられないという会社もあるかもしれません。その場合は、このような質問をすることによって近い答えを引き出すことが可能になります。それは、『坪単価を答えられないことは解りました。であれば、例えば35坪の住宅の場合は、このモデルハウスの販売価格はいくらで、標準仕様の建物は総額でいくらになりますか?』と聞くことで、可能であればもう一つ聞いてください。『その建物の価格以外に、引っ越しできるまでに必要な費用はどのくらいですか?』

 

この質問にどう答えるか?で解ることは、ハウスメーカーや、ビルダー、工務店の価格だけではなく、各社の営業担当者の接客態度も知ることができます。

 

実は、私は昔ハウスメーカーに勤務していました。そのため解ることなのですが、ハウスメーカーの営業担当者は、できるだけ効率化することが求められてます。そのため、必要以上にお客様の見切りが早くなっている傾向にあります。見切りというのは、お客様が自社の顧客になるのか、そうでないのか?という判断のことです。

 

ですので、ハウスメーカーの営業担当者は彼らが必要としている(つまり、自社で建てられるお客様)以外のところには、できるだけ力を入れません。これは、ハウスメーカーが悪いというわけではなく、あくまでこれを比較のポイントとして捉えてください。

 

その上で、各住宅会社の家の坪単価が最終的にいくらなのかということが重要です。住宅展示場に行くと、営業マンがアピールポイントをどんどんといってきます。それに惑わされることなく、しっかりと質問していくことで、良いパートナーかそうで無いかを見分けることができるというわけです。

 

ただし、ハウスメーカーの場合は全国体制のために、何年も同じ営業担当者がその支店にいるかどうか解りません。せっかく良い営業担当者だと思っても、3~4年ごとに転勤をする可能性があります。ビルダーや工務店の場合は、退職でもしない限りその担当者はずっと在籍しているので、建築後も人間関係が維持できます。

 

もちろん、ハウスメーカーはきちんとした社内体制で会社としてサポートを提供していただけるので住宅のメンテナンスという問題は生じる事はほとんどありません。

 

■工業品としてのノウハウと耐震技術

 

ハウスメーカーは、工業製品として住宅を完成させます。各社それぞれが独特のノウハウを持ってます。多くの場合は、その建築工法には、名前をつけています。自社の看板ですから当然なのですが、この工法を知ることによって、比較できる点がいくつかあります。そのひとつが、耐震技術です。

 

耐震技術は、非常に注目されている分野で、日進月歩で進んでいます。東日本大震災や熊本地震など多くの地震から非常に重要視されるようになりました。しかし、『当社は地震に強い住宅ですよ』と説明されるとその言葉だけで安心してしまう方も少なくありません。

 

確かに、とても多くの理論があり、決して簡単に説明することはできません。言葉だけでも免震、耐震、制震などという3つの考え方があります。これらについては、複数社に質問してその答えを比較していくと良いでしょう。

 

また、耐震には国が定めた等級基準があり1級、2級、3級があります。1級が最低基準で、2級がその1.25倍、3級は1級の1.5倍の耐震性能があります。

 

平成28年の5月には京都大学研究科の竹脇出教授(建築構造学)の研究グループが熊本地震を解析して、この地震に耐えるためには、3級相当の耐震性能が必要だという調査結果を発表しています。

 

実は、その耐震と間取りには非常に深い関係があります。1階部分の壁と、2階部分の壁の位置が同じであればそれだけ耐震性能が向上します。これを直行率といいますが、この直行率が60%を大きく下回ると、どれだけ耐震性能を上げても、上下階の振動がバラバラになり倒壊の危険がますというデータも公表されています。上下の壁部分を一体化させなければ、間取りが自由に広がります。ですが、耐震として考えれば弱くなってしまうというわけです。間取りやデザインだけで比較せず、耐震基準を観点に、工法を比較するのも一つの比較ポイントになります。

 

ハウスメーカーは、全国的に建築しているため比較的に耐震性能は高い建物が多い様です。

 

ビルダー、工務店の考えは各社まちまちで、デザインを工夫することで耐震性能3級を基準に考える会社もあれば、コストやデザインのために耐震性能を1級や2級で建てる会社もありますので、良く各社の意見を聞いてみてください。

 

■断熱・省エネ性能という新しい基準

 

実は、以前から一部のハウスメーカーやビルダーの間で重要視されていきましたが、平成28年にフランスのパリで開かれたのCOOP21という会議で正式に決定した二酸化炭素削減の新基準により、住宅会社各社が一斉に断熱性能を引き上げはじめています。

 

そのため、平成29年以降の住宅に関しては、断熱性能での比較は、必須条件になっています。

 

断熱性能には、平成28年から住宅に適用されたBELS(ベルス・建築物省エネルギー性能表示制度)という基準が一番比較しやすい数値になっています。

 

これは、★(星)の数で、建物の省エネルギー制度を比較する制度で、★★が平成28年度の基準値になっており、★★★がそれから10%削減、★★★★が15%削減、★★★★★が20%削減の最高等級になっています。

 

これで、建物の省エネ性能が一つの物差しで測ることができるようになりました。

 

なお、この制度は平成28年から住宅に採用されている制度で、情報収集能力が劣る住宅会社はまだ知らない制度だといえるかもしれまえん。

 

ハウスメーカーはBELSでは、★★★等級以上が当たり前ですが、ビルダー、工務店の中には、よく知らないと答える会社があります。技術力・情報収集能力の差が明らかになる物差しの一つです。

 

■大事な情報が詰まっている工期

 

工法にもつながってくる部分ですが、工期はどれぐらいでできるのかというのも、ハウスメーカーやビルダー、工務店の比較で重要になってくる点です。

 

工法によっては、驚くほど早くできる場合があります。ですが、なぜ早いのかということを考えていくことも重要なポイントです。

 

確かに、どうせ建てるのなら発注したら早い方が良いと思う方も多いと思いますが、一生住む住宅を建てるとしたら、数週間の工期の違いよりも、安心安全な住宅がいいはずです。

 

工期が早いということは、どこかで無駄を排除しているから成り立つのです。つまり、工業製品としての効率化の追求の結果というわけです。では、一体どんな点が違うのかみていきましょう。

 

住宅は、まず土地を均し、そこに基礎を作り、その上に柱を立てて屋根を作り、さらに壁を作っていきます。そこから内装を仕上げてできあがるということが基本です。

 

このとき、天候が悪くなればできないことも出てきます。例えば、基礎工事の一部には大雨の中では行えない工事があります。また、柱を立てて屋根をかける上棟も雨の中、工事を行うと危険ですし、木材も濡れてしまいますのでお勧めできません。

 

これらの住宅建築の流れを全く変えてしまった工法もあります。たとえば、ブロックごとに分割し、それを工場で生産加工して持ってきて組み立てるという方法です。プレハブといわれている工法で、柱の材料によって、木造住宅と軽量鉄骨住宅に分かれます。この工法であれば、基礎さえできあがってしまえば、棟上げと同時に壁の施工が完了します。場合によっては、工場で窓枠もはめて送ってくるので、非常に短期間で外観ができあがります。そのため、あっという間に内装工事に取り掛かれます。こうなると、天候に左右される時間は短時間ですので、工期は安定します。

 

では、在来木造工法という日本古来の木造建築がダメなのかといえば、そんなことはありません。在来木造建築は日本の風土に合った工法ですし、間取りなどの自由度がその他の工法に比べて格段に高いものです。この工法でも充分に耐震性能が出せますし、価格も工場で多くの部品を組み建てて出荷する住宅よりも安いケースが多いというわけです。

 

多くのハウスメーカーがプレハブと在来木造と両方の工法を持っています。これはお客様の要望に合わせた施工が必要になるからです。ビルダー、工務店の多くは在来木造を中心に施工しています。また、2x4(ツーバイフォー)というアメリカ発祥の壁工法の木造住宅もありますが、サプライヤーが限られています。この建物の工期は在来木造と大差がありません。

 

自分の目的にあった家を建てられるのは、どんな工法なのかを考える意味でも、工期も重要です。

 

■予算内でできるグレードと設備で比較する

 

坪単価と総額表示の項目でも話をしましたが、ハウスメーカーとして、どんなグレードの部材を使い、予算がいくらになるのか、それが収まるのかということも比較できる部分となるでしょう。

 

住宅を建てる場合は、予算にかぎりがあるのは当然です。その中で、ハウスメーカーやビルダー、工務店はそれぞれどんなグレードのキッチンやユニットバス、トイレ、床材、外壁材、屋根材などを標準で採用しているのか、また部材や設備はどこまで変更できるのか、変更するとどれだけ金額アップするのか比較検討することが重要です。

 

しかしながら、それ程込み入った情報を非常に多くの住宅会社に対して要求するのは、住宅会社各社にとって負担になるばかりでなく、お客様であるあなたにとって負担になると思います。

 

1社標準、オプション2項目でも、一度に10社を比較しようとすると20以上の仕様について比較検討としないといけなくなり、プロである私でもそれだけの建物を比較して、一番適切なものを選ぶのは多分難しいと思います。

 

そのため、この比較検討は、まず『坪単価と総額表示』と『耐震性能と工法』、『断熱/省エネ制度』、『工期』の4項目で比較検討した後に、2,3社に絞り込んで、実際に希望する住宅の間取りなどで比較検討することをお勧めします。

 

住宅のオプションなど選択肢は非常に多く、プロの私でもどんどん新しく発売される住宅部材のすべてを把握するのは困難です。

 

まずは、様々な切り口でなるべく多くの会社を吟味して、一番皆さんにあった会社をごく少数選んだ上で最終の仕様の絞り込みの順番で行う事が、時間の節約にもなりますし、最終的に一番ご家族に合った会社を選べます。皆さんの会社選びの一つの指針になればと思います。

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